オススメ「フラワー・オブ・ライフ」
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「大奥」でびっくりさせられたよしながふみさんの近作の一つである「フラワー・オブ・ライフ」が4巻で完結したとのことで密かに狙っていた俺は全4巻をまとめ買い。
面白かった! 久々にこの休眠ブログを更新してしまうくらい俺好みの作品であった。読んだ後の熱が覚めてしまわぬうちに思うままに感想でも書いておこう。
4巻というサイズもあって、この作品はまるで巧みな細工のなされた小箱のようだ。
ジャンル的にいえばいわゆる学園モノ。そこにはある意味お約束ともいえる「楽園」が存在する。味のあるキャラクター、テンポのいい展開と台詞回しでしこたま笑わせてくれる。
特に真島の生態(?)については明らかに作者本人が楽しんで描いてるんじゃないだろうか。軽い自虐を含めつつ……。
ただここは普遍の楽園ではなかった。
彼らは日々お互いを知り、変わり、また変わりながら関係し続けている。
よしながふみという人はなんでこんなに人と人の関係を描くのがうまいんだろう。特に人間関係の対比と転換、入れ替えを。
物語は「外部イベント」によって起きるのでなく、そこにある人間関係の微妙な変化によって作り出される。
たった一つの出来事やたった一言だけでシチュエーションは大逆転を起こしてしまう。小柳とシゲ、シゲと真島、真島と春太郎、春太郎と三国。いろんな人と人の組み合わせの中で気が付けばポジションが入れ替わり、その変化に振り回され、励まされ、時に苦悩する。
読み返してみると最初と最後が見事に裏返しで繋がっているのがわかる。その変化を切なく、懐かしく受け止めながらこの物語の余韻に浸るのだ。
あまり多く読んではいないのだけど、よしながふみのマンガの印象は比較的淡々と展開させ、またキャラクター達を愛しつつも突き放しているように感じるところだ。それはやはり計算づくの役割配置によるものだろうか。キャラクターそれぞれが自分自身を一側面から見た分身であるからこそ持てる距離感なのかも。
読み終えた後、なんだか自分の中で盛り上がってしまい、つい吉田秋生の「河よりも長くゆるやかに」まで読み返してしまった。こちらは未完(だよな)だし、毛色は違うが何だか似通ったものを感じたのだろう。こちらも俺的に超のつくお気に入りなので未読の方は是非。



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