6:バルセロナ、約束の地のガウディへ
えらく間があいてしまったけど、スペイン旅行記第六弾。もうこれまで読んだ人も本人達も忘れかけてるって話もあるけど。
まとめ読みはこちらから。
今日ついに元々の目的であるバルセロナへ向かうことになる。ホテルで朝食をとり、タクシーにてセビリア空港へ。空港の事前資料はなかったが、小さな空港だったので特に迷うこともなく搭乗手続きをし、スーツケースを預ける。今回はイベリア航空でなくエアーヨーロッパを使うことになっている。…が、なかなか出発できず。結局40分ほど送れて飛行機はセビリアを飛び立ち、バルセロナへ向かう。
降りるときバルセロナの建物がいろいろ見えるかな、と思っていたが、上空から眼下に広がるのはただただ雲。今日のバルセロナはあいにくの空模様のようだ。ちょっと残念。しばらくの空の旅を終え、バルセロナ空港へ到着。ついに一番の目的地へ降り立ったんだと意気込むが、出鼻をくじくかのように預けた荷物がなかなか出てこない。かなーり待たされてようやくスーツケースをゲット。出発遅れといい、荷物搬送の遅さといい、普段の評判は知らんがエアーヨーロッパもうちょい頑張れや。
結局この時点で予定より一時間半ほど遅れてしまった。
今日のホテルは空港から結構離れたサンツ駅近くにあるのでそこまで移動せねばならない。荷物もあるのでタクシーで一気にいこうかとも考えたが、距離もあるし、バルセロナ空港から直で出ている電車(Renfe)があるらしいのでそれで直接サンツ駅まで行くことにした。
これまでマドリッドの綺麗な街並み、グラナダの自然と触れてきたのだが、バルセロナ空港からサンツ駅までの電車から見える風景は壁にされたラクガキ、ボロボロの建物などちょっと様子が違う。これもまた違った一面なのだろう。その後見たバルセロナの街でも結構ラクガキが多かったように思う。折角のムードある景観をもったいないとも思うが、ラクガキする人にとっては生まれ育った普通の街なのだろう。
20分ちょいの移動でサンツ駅へ到着。ちなみにスペインの電車は乗降時に自分でレバーやボタンで扉を開けるものが多い。地下鉄は勝手にあくものと自分でレバーで開けるのと半々。Renfeはボタン式で緑と赤のボタンが並んでいる。外側には緑のボタンだけついてるようなので、おそらく緑がオープンボタンなんだろう。降りるとき押してみよう……と考えていたが、大抵のメジャーな駅ではせっかちな人が待ち構えるようにしてボタン前でスタンバっている。結局地下鉄含めて自分で開けることはなかった。別にいいけどちょっぴり残念?(子供か)
サンツ駅から歩きで近くのホテルへ。いろんなものを無理やり詰め込んだスーツケースはおみやげも含めて着実に重量を増しており運ぶのにかなり難儀してくる。そういや搭乗手続きの時30kg目前の表示になってたもんなぁ。セビリアでタクシーの兄ちゃんもちょっぴり険しい顔をして"Too heavy..."とぼそりと漏らしてたし。
今日の宿泊ホテルであるEXPOはサンツ駅のすぐそばにあるのでなんとか鬼のような重さのスーツケースも運び込むことが出来た。確かに交通の便に便利なホテルだ。そのかわり見た目はちょっとビジネスっぽい感じなので味わいにはかけるか。入り口が大きな回転ドアのみなので二人で「六本木ヒルズ、六本木ヒルズ」と唱えながら慎重に入る(馬鹿)
さっそくフロントでチェックイン。なんと受付に日本語を話せる人がいた。ちょっと間違ったりもしてたがスペインへ来て初めてのケースである。これまでのホテルでしょうもないレベルながら毎度ホテルトラブルが発生していたので「このホテルで何かあったらあの人に!」とトラブル・交渉担当の俺は心に決める。
重い荷物から解放され、一休みしてバルセロナ観光モードへ切り換える。
まずは移動の基点となる地下鉄駅を確認。サンツからは3号線と5号線の両方が出ているので結構便利だ。マドリッドもそうだったが地下鉄は日本と同じくラインごとに色分けされているのでわかりやすい。そこまで複雑な接続でもないので慣れると非常に便利な移動手段となる。ここで10回利用の出来るT-10チケットを購入。1回乗車で1.1ユーロのところが10回券で6ユーロ程度とかなり割安だ。
まずはお約束ということで5号線に乗り早速サグラダファミリア駅へ向かう。地下鉄を降り、地上へ出て、さてどの方向に見えるのだろうと振り返ると目前にドドーンとそびえ立つクレイジーな建物。

「いや、いきなり近すぎだってば」
心の準備もなく本当に間近にサグラダファミリアとの対面となった。口開けたままじっと見上げ、二人ともしばらく言葉もない。出るのはため息である。ようやく出るのは「凄いねぇ」となんともお互い平凡な感想。
ようやく落ち着いてみての第二の感想は想像以上に「工事現場」であること。なんちゅうかまさに男の現場って感じなのだ。

……そして結構後でひっそりと思った第三の感想。
そびえる塔を見てなんか思い出しかけたものがあった。後でそれが何だったのかわかった。ああ、なんてくだらない連想をしてしまったのか。その場で口に出すのはさすがにはばかられたが、いまはもう書いてしまおう。
連想したもの、それは名古屋にある伝説の喫茶店「マウンテン」のかき氷である。
一部で「氷柱」と呼ばれるここのかき氷はとにかくデカく、食べても食べても減らない幻の四菱ハイユニ…もとい、まさにそびえ立つ、という形容がふさわしいものだった。何本もの塔がそびえ立つ様がなんとなくこの氷柱に近しいものがあったのかもしれない。
ついでにいうと結構昔に名古屋へ遊びに行ったとき、俺は知人に連れられてこの店にいったのだが、そこで通称「赤」といわれる「甘口いちごスパ」に挑戦したのだった。アツアツパスタの上にたーっぷりかかった甘い甘いイチゴソース。さらにその上に甘いホイップクリームがとろりと溶ける。口にいれると歯が軋むような甘さ。
俺はたったふたくちで敗れ去った。ちなみにこの後しばらく後遺症でいちご関連食えなかった。マジで。通称「緑」と呼ばれる「甘口抹茶スパ」も同様に猛者のための食べ物だ。
…って、せっかくの念願の対面のシーンでなんでこんなこと書かなきゃいけないのか自分でもさっぱりわからない。
激しく道を逸れたが気を取り直して…サグラダファミリアはその前後に公園がある。あまり近いと全容が見えないのだ。ちょうど公園まで下がってようやく全体を見ることが出来るような感じだ。

地下鉄から出て見えてたのは祝福の門とも言われる東側。西側の苦難の門へまわると公園に軽食の店が出ている。こちらからの眺めをまたも口ぽかーんと開けながら堪能。
これで天気がよければなぁと思っているとなんだか暖かい。
「ん?何か日が射してきてない?」
空をしばらく見てると、おお、徐々に青空キター。

それまで覆っていた厚い雲が嘘だったかのように雲が晴れていく。感動…。昨日のワイン選択失敗から今朝の航空機遅れとちょっと傾いてた運が再び反転した感じだ。一気に気分も晴れていく。
そそくさと売店でサンドイッチとビールを購入し、サグラダファミリアを眺めつつ乾杯。

入り口近くには銅像パフォーマーの人がいる。ぱっと見には本当に銅像が立っているみたいだ。たまに休憩してる姿がおかしい。結構この銅像パフォーマンスは主流なのか、他のところでもちらほらと見かけた。

サグラダファミリア内部に入るのは明日の楽しみとしてせっかく天気も回復したことだし、他の街中のガウディ建築を目指し、カサ・ミラ方面へ歩いてみる。歩いてる途中にも唐突にあらわれるガウディ建築たち。
結構歩いてようやくカサ・ミラ到着。この建物の独特のその歪んだラインは建物というより有機体を思わせる。

こういう曲線の多用はカサ・ミラに限らずガウディ建築全体にいえるが、そのデザインは奇異・異質でいてそれでいてしつこくない、という山岡士郎もびっくりのバランスである。
間違いなくデザインを感じさせながら、自然そのままの岩山や植物の断面、あえてあげれば蟻塚や蜂の巣など「建築物ではあるが自然世界に存在しているもの」を思い起こさせるのだ。そのせいかあまり無機質な人工物という感じがしない。

しばらく並んで中に入り、階段を上る。人が暮らしていた時の様子を再現(?)した部屋などがある。部屋の中にも曲線はふんだんに使われ、どちらかというとかわいい部屋という印象を受ける。
上階はガウディ博物館となっていて、ガウディ設計の建築物モデルやオブジェ、スライドによるガウディ作品の紹介がある。

スライドを眺めながら疲れた歩き足を癒しつつ、屋上へ向かう。ここはひときわ変なオブジェで一杯だ。

ちょっと岡本太郎記念館へ行ったときのことを思い出してしまった。屋上はまるで休憩スペースで、観光客があちこち腰掛けてたり、みんなでわいわいと記念写真とってたりする。さらにオブジェ越しに遠くにサグラダファミリアも見えるというある意味リッチな立地。
カサ・ミラ中央には中庭があり、入るとき下から見あげたものと屋上から下を見たものをあわせてでなるほど、こうなっていたか、と楽しむことができる。


カサ・ミラを出て、隣り合う雑貨屋(?)ビンソンへ。一体どういう立地条件だ…とも思うが、とにかくガウディ建築物はひょっこり街中に普通にあるので、隣の建物はいろいろだ。あれだけ特殊なデザイン、さぞ浮くだろうと思っていたのだがバルセロナの街並みはガウディを内包してなお自然な佇まいを見せるのだ。おそるべし。
ここで同居人はおみやげ長考モード。俺は既に足も痛くなってきてかなりヘタれているのだが同居人は構うことなく店内を何周も何周も何周も吟味している。目はむしろ輝いている。 またも買い物パワーに敗北。
俺にとっては過酷な疲労トラップであったビンソンをようやく通過し、さらなるガウディ建築を目指してカサ・ヴィセンスへ歩く。
このカサ・ヴィセンスへ向かう途中にはかなり年季の古い建物たちが並んでいる。それがまたも俺のツボを刺激。中には本当にキタネーって感じのもあったりはするけど。そうこうしてるうちにカサ・ヴィセンスへ到着。普通の家として使われてるみたいで中へは入れないようだ。

ついでに見かけたら明日のランチの予約でもしようとガイド本に載っていた「ショウジロウ」という創作料理店を探してみたが発見出来なかった。移転したのか探した場所が間違ってたのか…。
そうこうしてるうちに暗くなってきたので今日の晩飯を求めてさらに移動。ガイド本に載っていたタパスの品揃えが豊富な店、TapaTapaに行くことにする。タパス(Tapas)は酒のつまみのような小皿料理を意味するらしい。
ここはガイド本に載ってるので有名なのか大賑わい。日本人客の姿もちらほら。カウンター席へ座るとえらく元気のいいウェイターが対応してくれる。日本人含め外国人観光客がかなり多いのだろう。接客も慣れたもの。メニューは料理の写真もついてるのでどんなものかわかりやすい。日本語メニューまで用意されていた。
生ハムはデフォで頼むとして、他に数品を注文。なかなかうまかった。座ったカウンター席の前にはたくさんの生ハムぶら下がってる…あれ一個持って帰れんかな?とつぶやいたが同居人の反応はなかった。
帰りがけにすぐ近くにあるガウディ建築、夜のカサ・バトリョを遠くから見物。

ここは昼にまた見に行こうと思ってたのになんだかんだで見そびれてしまった。残念。後で資料を見ると建物の中はすごいデザインみたい。くそー。次の機会には絶対行く。
ビールとタパスでたらふくの腹を抱えて地下鉄で帰宅。バルセロナ巡りにも結構慣れてきた感じだ。
こうして6日目は念願を果しつつ満腹で終了。





































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